岡崎市民会館にある「南極の石」を紹介します!
突然ですが、皆さん「南極の石」を見たことありますか?
実は岡崎市民会館にも「南極の石」があるのです!
当館にある「南極の石」は、いわゆる南極石(アンタークチサイト)ではなく、南極で"採取した"石のことで、「蜂の巣岩」と呼ばれている鉱石です。
南極・東オングル島に開設された、日本の南極観測基地「昭和基地」の近くで採取したもののようです。
なんだか、黒くてボコボコしていて、普段の生活ではあまり見ない不思議な形ですよね。
これは、南極に吹く強い風の影響だと言われています。
風化によってもろくなった岩の表面に強い風が当たることでへこみが作られ、飛んできた砂の粒がそのへこみをさらに削る、という仕組みです。
それが繰り返されて、穴が深くなると考えられています。
ただ、同じ場所にあってもすべての石が同じように蜂の巣のようになるわけではないそうで、石の種類によって差があるようです。
残念ながら詳しい資料が残っていないため、この石が何年前の石なのかはわかりません。
しかし、東京・立川にある国立極地研究所の入口にある大きな「蜂の巣岩」は、なんと5億年前(!?)の岩石だそうです。
日本列島は、中新世(2,300万年前~530万年前)に今のかたちになったと考えられているので、果てしない地球の歴史にロマンを感じますね...!
当館にある「南極の石」に話しを戻します。
記録によると、昭和41年1月に採取され、市民の方から岡崎市に寄贈していただいたものになります。
どのような経緯で寄贈者の方がこの石を手に入れられ、寄贈していただいたのかはわからないのですが、当時は南極の石をお土産として自由に持って帰ることができたようです(現在は「南極条約議定書」に触れるため研究目的以外では禁止されています)。
こちらの写真は、竣工当時の集会棟(現・会議棟)2階ロビーの写真です。
当時は郷土館の役割を果たしていたため、資料を展示しているショーケースが目立ちますね。
このケースの中の一番右下の黒いもの。
多分......、きっと、おそらく「南極の石」だと思われます......!
この石にとってはほんの一瞬かと思いますが、岡崎市民会館の歴史もこの石は見てくれていたんですね!
現在は会議棟1階の情報コーナーに展示しています。
地球の歴史を感じることができるかもしれません......!
お越しの際は、ぜひ一度ご覧ください!
(この記事は、2022年12月26日にInstagramに掲載した記事を修正したものです。)